2013年2月28日木曜日

「2月22日 東京地検包囲行動」報告



40265筆の署名と弁護団からの「上申書」を提出! 
2月22日、寒さ厳しい中、東京地検包囲行動に参加していただいたさま、 
本当にありがとうございました 
甲信越事務局からは10人と山の精霊“かりこぼう”の総勢11人(?)が2台の車に分乗して参加してきました。
山の精霊がどんな姿かは動画をご覧ください。
 当日は、武藤類子団長が高熱のために無念の欠席でしたが、東京検察庁前の歩道には、120人の福島からの告訴人を含め700人近い人々が集まりました
告訴団が用意した「地検は起訴せよ! 東電は自首しろ!」という紙のプラカードを全員が掲げながら、地検にアピールしました。まさに前代未聞の光景でした。 
この日までに集まった40265筆の署名を、福島告訴団副団長の佐藤和良さん、大熊町から避難している有機農業をしていた女性、甲信越事務局の3名と弁護士3名が、上申書(※と共に東京地検に提出しました。
受け取ったのは、東京地検公安部統括捜査官上村亮氏でした。
代表者らは、「起訴をして責任を明らかにしてほしい」と訴えました。  代表者たちが提出している間、外では告訴団支部の代表者や福島県内で農業ができなくなった農家の方たちが次々とマイクを握り、
「住み慣れた土地と家を追われた」
「長年続けてきた有機農業ができなくなった」
「原発がすべてを奪った、返してほしい」
「どうして加害者の罪が問われないのか」
「必ず起訴してほしい!」
と、必死な思いを語りました。 
河合弁護士からは、なぜ告訴をしたかの意義についてのアピールがありました。
「戦争を除けば、福島の原発事故は最大の人災である。国を滅ぼしかねない事故を起こした東電の役員が一切の刑事処罰を受けないという、これ以上の不正義はない。このまま不正義を許してはいけない」 
また広瀬隆さんが検察に向けて話した言葉に、参加者一同、心を揺さぶられました。
「昨年8月に告訴を受理してから、検察は何をやっているのか。3月11日、午後2時46分を期して、被災者の方に黙とうをささげた後、すぐ段ボールを持って、東京電力本店に強制捜査に入りなさい!」 
 続いて参加者は、東電本社前まで静かに行進し、東電に自首を勧めに行きました。
東電のゲートの中に代表者10名が入り、その周りを福島からの参加者30名が囲む形で交渉が始まりました。
その他の参加者は、通りを隔てた反対側歩道に集まって、交渉を見守りました。
今回屋外の東電ゲートでの交渉したのは、外にいる参加者たちにも伝わるようにするためでした。今まで交渉のための東電を訪れた者東電がゲートを開けることはなかったということです。 
東電側から受け取りに出てきたのは、広報部原子力センター所長會田満男さん。
要請文(※2)読み上げの後は、福島の避難者と農民からの切迫した訴え。
放射性物質ですべて汚染された。もう戻れない。こんな事故を起こしたのは誰だ。自首しなさい
このような声に東電は、「事故を起こしたことはお詫びする。要請書は上に伝える」と常套句の回答でした。
被告訴人(加害者)である前会長や前社長が出てくることはもちろんありませんし、現社長や役員たちがこうした場面に顔を出すことはありません。
広報担当者だけが、毎回毎回矢面に立たされているのです。
避難者である女性の、「仮設住宅に回ってくるのは東電の末端の社員。もう社員一人ひとりを責めようとは思わない。でも責任のある役員たちのことは、決して許さない!」と叫んだ声は、多くの参加者の気持ちでもあったと思います。 
 最後に佐藤副団長、「強制捜査をしないで不起訴ということはあり得ない。すでに3人の子供が甲状腺がんの手術を受け、7人の子供にその疑いがある。それだけでも業務上過失致死ではないか。この告訴は単に誰かの責任を問うだけの運動ではなく、このままの国でいいのか、日本の民主主義を問う運動でもある。今後も被災者により沿って運動してもらいたい。」と結びました。 
その後、参加者全員で再びシュプレヒコール。 「東電は自首しろ!」 「東電は責任をとれ!」 すっかり暗くなった新幸橋交差点に響き渡りました。 

※「上申書」の概要 
第1:上申の趣旨 
告訴・告発人らは、本上申書において、本件告訴・告発事件の捜査について、次の諸点をふまえた捜査を強く求め、事案の真相解明のため、捜索押収や罪証隠滅のおそれのある被告訴人・被告発人(以下「被告訴人ら」という)の身柄の確保など、必要な強制捜査をなどを実施されるよう要望する。 
第2:上申の理由 
 捜査機関は福島原発事故の深刻な被害に向き合い、必要とされるすべての捜査を遂げるべきである。 
2 実況見分調書の作成 
 原発の耐震性、耐津波性について検討したすべての会議とその内容の稟議手続の精査 
 株主総会の質問に対する回答作成を検討した会議とその内容の稟議手続の精査 
5 反原発市民団体からの申し入れに対する回答作成を検討した会議とその内容の稟議手続の精査 
6 スマトラ沖地震時のインドにおける津波による電源喪失について 
7 甲状腺ガン・甲状腺異常と本件事故の因果関係の専門的検討 
8 結論 
告訴・告発人らは、本件告訴・告発事件の捜査について、以上のような諸点を踏まえた捜査を成し遂げることを強く求める。上記のとりわけ3,4,5項の記載の捜査については、捜索押収や罪証隠滅のおそれのある被告らの身柄の確保など、強制捜査を行うことなしに事案の真相を解明することはできないものと思料する。必要とされる強制捜査などを実施されるように強要望する。 
ここ2,3ねん、検察不祥事が続き、国民の検察に対する信頼、支持は揺らいでいる、今こそ、「被害者とともに泣き、巨悪を撃つ」という検察の本旨に立ちかえり、国民の信頼、支持を取り戻すべきである。日本史上最大(戦争を除)の禍(人災)、国家の滅亡を招きかねなかった厄災に対し、なす所なく終わるのであれば、国民は検察に対し深く失望するであろう。
(全文はこちら) 

2013年2月17日日曜日

<引き続き署名へのご協力のお願い>


「厳正な捜査と起訴を求める」署名へのご協力、ありがとうございます。

署名については現在、署名用紙で約8千筆、ネット署名3500筆。海外署名も始まり、福島本部にも毎日届いているとのことです。しかし、検察を動かすには、まだまだ多くの署名が必要です。

第1次締め切りは過ぎましたが、第2次締め切りは3月5日ですので、引き続きご協力をお願いします。

<全国事務局会議の報告>
2月10日、東京で告訴に関する「全国事務局会議」が開かれました。甲信越事務局から3名参加しましたので、報告いたします。


●検察の動向

【担当の保田弁護士からの報告】
実務の最高責任者は40代後半の杉山検事。捜査は、福島の告訴状なども東京に届き、東京地検が主導で着々と行なっている模様。 3月に可否が判断されるとの新聞報道もあるが、東京地検からは「3月に判断するとは言っていない」とのこと。 しかし、3月には異動もあることから、やはり何らかの判断が出るのではないか。

安全を怠っていたという点では、今後、東電が津波の予見をどこまでしていたかが焦点。スマトラ沖地震(※)を調べて意見書を提出する。
※2004年のスマトラ沖地震でインド南部にあるマドラス原発では、津波でポンプ室が浸水するトラブルが起きていた。冷却用の取水ポンプが津波で使用不能となった東京電力福島第1原発事故の約6年半前。国や東電は海外の実例を知りながら、有効な対策を取らず放置した。

1月25日に、東電の勝俣前会長が検察の事情聴取について「大津波は予測していなかった」と過失を否定する趣旨の説明をしたが、スマトラの情報がトップまで上がっていたか、どこで握りつぶされたかを明らかにすることも重要。また、市民団体も危険性を指摘し、東電へも申し入れをしていたので、そのことも証拠として出した。

保田弁護士は、今後、強制捜査が実施されなければ起訴はないとの見通しですが、政府事故調による吉田所長の聴取書を検察が押さえたということは、裁判所の差し押さえ令状が「業務上過失致死」の罪名で出されているので、その対象が原発作業員なのか関連死なのか分からないが、その追及も視野に入れていると思われるので、強制捜査ができる状況にある。

弁護団としてもプッシュしていきたい。一方で、業務上過失致死に「自死(自殺)」は該当しないときっぱり言ったとのことでした。起訴してくれという集団行動はこれまでになかったので、検察は世論の動向を見ている。検察の安易な幕引きは許さないという意味でも、22日の東京地検行動は重要であるとのお話でした。

【本部事務局より】
団長の武藤類子さんも事情聴取(副団長の佐藤さんも意見を言ったとのこと)された。
告訴人の方でも、ウクライナの健康被害に関する文献や国連人権理事会の意見書、山下の発言録が掲載されたデイズジャパン、「疎開裁判」の資料等も使っていいと言われているので、様々な情報をあげている。疎開裁判の資料には、服などについた放射性物質は洗濯しても落ちずに、洗濯機の他の衣類に移染する。髪の毛はシャンプーしても落ちない。また、ゼロベクレルの大根を切り干し大根にしたら4000ベクレル出た。つまり大気に放射能があることが書かれているそうです。


【福島の現状】副団長より
福島県の予算は1兆9千億円だが、そのうちの9800億は原発関連。県の総合計画では2020年までに、全国に避難している人をゼロにするという。その手段は、安倍政権下では「除染」に一本化され、完全にそっちにシフトしている。各戸に除染のハンコをもらいに回ってくる。山などは意味がないと思っても、断りにくい状況。「被災者・こども支援法」を具体化するような政策の予算は一切つかなかった。

県内の仮設や借り上げに住んでいる被災者の疲弊や免疫力の低下は著しい。心が折れそうになっている状態は一層深刻化しており、ひとりひとりの孤立感はさらに広がっている。人々の気持ちは、泡だっており、いわき市では、人口が37万人に急増したこともあり、高級車にペンキがかけられたり、市庁舎に「被災者は帰れ」と落書きがあったりした。被災者同士が、そして補償額によっても分断されている。

また中通りでは、鉛色の空の下で、人々は暮らしており、人々は、なかった事にして暮らしているように見える。保健所には「笑ってストレスなく暮らしたほうがいい」などというポスターが貼ってある。人権は無視され、原子力ムラは依然として力を持っている。

今回の衆院選で福島の自民党は「脱原発」をうたって戦ったが、完全なダブルスタンダード。脱原発に関することは何もやっていない。

原因と責任をはっきりさせることが第一歩。告訴団からこの状況に何とか風穴を開けて行きたい、そして、支援法に魂を入れたい、と深刻な状況と展望を話されました。

【武藤類子団長より】
起訴、不起訴のいずれの結果が出ても、4月には数千人規模の大きな集会をやりたい、そのために協力してほしいとの提案がありました。4月27日の開催を目指すことになりました。
                             
22日は東京地検に署名を提出後、東電本社には申し入れ書と自首勧告文!を提出する予定です。22日の参加も含め、皆さまのより一層のご支援をお願いいたします。