2013年11月5日火曜日

検察審査会申立て/甲信越支部からブログ更新停止のお知らせ



2012年9月9日の「甲信越支部」発足から、多くのみな様にご支援・ご協力をいただき
感謝しております。しかし、努力が報われることなく、甲信越支部発足の奇しくも1
年後の2013年9月9日、東京地検は被告訴人33人全員を不起訴にしました。この決定を
不服とし、「検察審査会」への申し立てに移行します。
 
https://docs.google.com/file/d/0B2cwTTLEAVPueXc1bmZGWnZNVmM/edit?usp=drive_web












検察審査会 申立て
11月22日(金)
・検察審査会第2次申立
 ◆12:45
 東京地裁近辺に福島バス到着
 ◆12:55~13:10
 東京地裁前送り出し集会
 ◆13:20~
 委任状提出(弁護士+10人くらい)

・申立報告集会
 (会場 日比谷コンベンションホール:千代田区立日比谷図書文化館)
     ー千代田区日比谷公園1番4号ー
 ◆14:00 開場
 ◆14:20 フルート演奏 鞍田東さん
 ◆14:30 集会開会
       団長あいさつ
      <一部>「検察審査会への取り組みに学ぶ」
      ・・JAL墜落事故について(海渡雄一弁護士)
      ・・JR福知山線脱線事故の遺族から(藤崎光子さん)
      <二部>「検察審査会に向けてやれることはなにか」
      ・・告訴団より申立書のポイント説明
        河合弘之弁護士から
        保田行雄弁護士から
        各地区から決意表明
 ◆16:30 集会終了 



11月22日の第二次検察審査会への申立を機に、甲信越支部のブログの更新を停止しま
す。理由としては、①すでに申立人の管理は「福島原発告訴団」に移管されているこ
と。②福島本部のブログのほうが情報発信の早さ、充実さが勝っていること。③甲信
越支部独自の情報がなくなったこと等です。今後は福島本部のブログにアクセスして
いただきますようお願いいたします.
 
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
 
汚染漏れひとつ見ても、まったく原発が収束できるめどは立たず、今も海へ垂れ流し
の状況です。福島の人たちは「風化」に抗しながら、今なお被ばくの不安と生活再建
の困難さを抱えています。これからも福島に寄り添い、ご支援いただきますようお願
いいたします。

11月22日第二次検察審査会申立

東京地検の全員不起訴の決定を受けて始まった「検察審査会」への申し立て。第二次
提出のスケジュールが決まりましたのでお知らせします。2時からの報告集会では、
「検察審査会への取り組みに学ぶ」と題し、JAL墜落事故の弁護団海渡弁護士とJR尼
崎脱線事故の遺族の方のお話があります。
多くの方の参加をお願いします。
 
なお、「汚染水」の第二次告発の締め切りは11月25日です。福島県警への提出は12月
中旬ごろになります。
 

2013年9月26日木曜日

お知らせ 9.29福島集会「これでも罪を問えないのですか!」















9月29日(日) 12:00~14:00
福島県郡山市 郡山ユラックス熱海 大会議室

9・13緊急抗議報告(本部ブログより)

 
13日16時、東京・福島の両検事から、不起訴処分に至った経緯を説明いただきました。東京地検に入ったのは、弁護団の河合弁護士、海渡弁護士、告訴人12人の計14人。先に検事から、不起訴処分の説明を聴き、その後、質疑応答に入りました。
 
 
**********
 
Q:福島の事件を東京地検へ移送した理由は。
A:過失の内容が共通していたため、合同で捜査を分担してきた。処分を下すにあたって、被告訴人の多くが東京に住み、東京地検が主たる捜査を担当したため、安定性・統一性の見地から東京に移送することとした。
Q:何回も確認したはずだ。処分の通知はどこから出されるのかと。福島だというお話だった。
A:その件には異議がある。福島で告訴された事件は福島が処分を出す、それは当然だとお話しただけだ。移送するかという質問ではなかった。
Q:福島の検察審査会に、申立書を出させないための政治的な移送ではないのか。
A:そのような意図はない。
 
Q:一部報道で、結論ありき、不起訴のための捜査だったと書かれているが、それは本当か。
(配布資料:北海道新聞 9月11日)
 
 
 
A:そのような事実はない。
Q:では、新聞社に抗議したのか。
A:していない。新聞社への抗議は、私が判断する問題ではない。
 
Q:中央防災会議が、推本(地震調査研究推進本部)の長期評価の公表に、「今回の発表は見送る」「この長期予測は信頼性が低い」「相当の誤差を含んでい る」などの文言を付加するようメールが送られたという。これが原子力ムラの実体ではないか。このような圧力を加えられていたことは、捜査したのか。
A:中央防災会議だけではなく、専門家から聞いた。その詳細は言えない。
 
Q:津波の高さ15.7メートルの試算が出ていた。一番厳しい、苛酷な条件の津波にも耐えられるように対策するのが当然ではないか。
A:当時の社会的認識では今すぐ対策をとる必要はなかった。止めておけばよかったではなく、止めるべき義務があったのかどうかが問題。
 
Q:被曝は傷害だと訴えてきたことに答えがなかったが。
A:被害結果がこれから出るであろうことは否定できない。しかし犯罪行為があり、過失行為が合理的疑いを持たない程度に立証できるのかが問題だ。可能性では足りない。立証できるかが判断の材料。
 
Q:なぜ強制捜査をしないのか。任意では自分に有利な証拠しか出さないのは当然ではないか。
A:必要な捜査は尽くした。詳細は言えない。
 
Q:電源の移設や水密化など、他に取るべき対策があったはずだが。
A:電源を高台に置いただけでは、今回の事故は防げなかった。今回は津波で電源盤がやられたことが原因であって、原発の構造を変えなくてはならず、その工事には2~3年かかるだろう。
 
Q:告訴人の数からいえば、福島が圧倒的。逆に、福島地検に移送することもできたのでは。
A:過失を捜査したのは東京地検であり、必要な捜査を尽くした上での判断だ。
 
Q:福島でも説明会をお願いしているが、20人といった少数ではなく、もっと大きな会場にさせてほしい。
A:追って相談。
 
ほかにも不起訴理由に関する細かい質疑応答がありましたが、まるで東電の弁護士さんかと思うくらい、立件できない理由を語り続ける検事たち。どのような捜査をしたかについては、「詳細は言えない」の一点張りで、一切わかりませんでした。
海渡弁護士が、「やれば避けられた事態を、やらなかった人たちを庇うために、汲々とされていることが、私には理解できない・・・」と語り、それは参加した全員の気持ちでした。
 
17時30分から19時までは、東京弁護士会館に場所を移して報告集会。今後も責任追及を決して諦めない、その覚悟を確認しあいました。
 
「東電の弁明を丸ごと採用して、不起訴ありきの捜査をしました」と言われているように感じた説明会。

2013年9月5日木曜日

9月3日 武藤類子告訴団団長ら3名が東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れに関して福島県警に刑事告発しました!

告発状はこちら
新聞記事はこちら

 2013年9月3日 
福島原発告訴団弁護団 

本日の告発について 
1.本日、武藤類子(福島原発告訴団団長)ら3名のものは福島県警に対して、東京電力福島第1原発放射能汚染水海洋放出事件に関して、東京電力元幹部武藤栄ら32名及び法人としての東京電力株式会社を公害罪の被疑事実でそれぞれ刑事告発した。 

2.被告発人(32名) 
  1. 武藤 栄 東京電力株式会社 前・取締役副社長(~20116月)原子力・立地本部長 
  2. 勝俣 恒久東京電力株式会社 取締役会長(~20126月) 
  3. 皷 紀男 東京電力株式会社 取締役副社長(~20126月) 福島原子力被災者支  援対策本部名長原子力・立地本部副本部長 
  4. 西澤 俊夫 東京電力株式会社 取締役社長(~20126月) 
  5. 小森 明生東京電力株式会社 常務取締役(~20126月)原子力・立地本部副本部長兼福島第一安定化センター所長  
  6. 清水 正孝 東京電力株式会社 前・取締役社長(~20116月) 
  7. 藤原 万喜夫 東京電力株式会社 常任監査役(~20116月)・監査役会会長 
  8. 古谷昌伯東京電力株式会社 取締役(~20126月) 
  9. 高橋 彰 東京電力株式会社 常務執行役(~20126月) 
  10. 片岡 和久東京電力株式会社 常務執行役(~20126月) 
  11. 横田 昌史東京電力株式会社 常務執行役(~20126月) 
  12. 下河邉 和彦東京電力株式会社取締役会長 
  13. 廣瀬 直己東京電力株式会社代表執行役社長、取締役、執行役 
  1. 相澤 善吾 東京電力株式会社 代表執行役副社長取締役、執行役取締役副社長 
  2. 山口 博東京電力株式会社取締役代表執行役副社長 
  3. 石崎 芳行東京電力株式会社代表執行役副社長 
  4. 嶋田 隆東京電力株式会社取締役、執行役 
  5. 内藤 義博東京電力株式会社取締役、 
  6. 數土 文夫 東京電力株式会社取締役 
  7. 能見 公一東京電力株式会社取締役 
  8. 小林 喜光東京電力株式会社取締役 
  9. 樫谷 隆夫東京電力株式会社取締役 
  10. 藤森 義明東京電力株式会社常務執行役 
  11. 佐野 敏弘東京電力株式会社常務執行役 
  12. 村松 衛東京電力株式会社常務執行役 
  13. 新妻 常正東京電力株式会社常務執行役 
  14. 武部 俊郎東京電力株式会社常務執行役 
  15. 増田 祐治東京電力株式会社常務執行役 
  16. 山崎 剛東京電力株式会社常務執行役 
  17. 住吉 克之東京電力株式会社常務執行役 
  18. 姉川 尚史東京電力株式会社常務執行役 
  19. 壹岐 素巳東京電力株式会社常務執行役 
  20. 法人としての東京電力株式会社 

3.罪名 
人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害罪法) 
3条2項 
 東電役員、元役員ら33名 
3条2項、4条 
法人としての東京電力株式会社 

4.告発の内容 
(1)タンクからの漏洩 
(a)注意義務 
 東京電力は、人 の健康に有害な放射性物質を大量に含んだ汚染水を貯蔵するために設置した応急仮設タンクからの汚染水漏洩を防ぐため,応急仮設タンクを早期に通常の強度と 安全性を備えたタンクに切り替え,またタンク周りに設置された堰に設けられた排水弁を開放したままにすることなく,止栓して,仮にタンクからの流入が起き ても,海洋への流出を防ぎ,さらにタンクからの漏洩が起きていないかを確実に検知し,速やかに漏洩防止の措置をとるなどの善管注意義務を負っていた 
(b)東京電力による漏洩 
こ れらの注意義務をことごとく怠り,平成25年(2013年)7月までに,タンクに損傷を引きおこし,汚染水のタンクからの約300トンの汚染水の漏洩に引 き続いて海洋環境への漏洩を引きおこし,また,これを速やかに検知して漏出を早期に食い止めることができず,事業場における事業活動に伴って人の健康を害 する物質を大量に排出した 

(2)地下水からの漏洩 
(a)注意義務と過失 
  福島第1原発の原子炉建屋地下には山側から海方向に毎日約1000トンの地下水の流れがあり,これを迂回させて海に排出する確実な経路を確保しなければ, 早晩地下水が建屋地下に流入し,炉心溶融により建屋地下に貯留している放射性物質と接触し,放射性物質に汚染された状態となって海に排出される事態となる ことを認識しながら,平成23年(2011年)6月17日政府から検討を求められた原子炉施設を囲む遮水壁の設置について,経営破綻を危惧して中長期的対 策として問題を先送りにし,その後約2年間にわたり,抜本的対策を講ずることなく放置し,また危機的な状況を政府規制担当者らに説明しなかった 
(b)東京電力による漏洩 
日 付不明の時期から今日に至るまで,毎日300ないし400トンの,東京電力が認めているだけで,平成23年(2011年)5月以降,海洋に流出したセシウ ム137は20兆ベクレル,ストロンチウムは10兆ベクレルに上る人の健康に有害な放射性物質を大量に含んだ汚染水の海洋への排出を引きおこし,事業場に おける事業活動に伴って人の健康を害する物質を排出した, 

(3)告発のポイント 
  福島第一原発事故の収束もないまま、福島原発告訴団の告訴・告発は不起訴にするとの報道がまことしやかに流れている。 
  本件東京電力福島第1原発放射能汚染水海洋放出事件が発生したのは、まさに地検が上記告訴・告発について、真摯に捜査、検討せず、東京電力に何をやっても許されるという慢心を与えたためである。 
  本件告発では、本件の捜査を福島県民に寄り添い、その痛みを最も近くで理解している福島県警の手に委ねることとした。

2013年8月27日火曜日

海にも地下水にも汚染拡大、人災が続くなか、責任を問わない「不起訴」はあり得ない!


 
 
 
 
 
 
 
 
 


弁護団が追加上申書を提出しました。
不起訴不当の根拠を説明して、検察に再考を促す内容です。ぜひお読みください。

2013年8月14日水曜日

【拡散希望】朝日新聞報道を受けて。

本部ブログより~

本日(8月9日)、朝日新聞の1面トップに「原発事故全員不起訴へ」という記事が掲載されました。

原発事故、全員が不起訴へ 東電前会長や菅元首相ら(朝日新聞)

福島の告訴団事務局には、早朝から「不起訴は許せない」、「地検に抗議の電話しました」、「がんばってください」と、ひっきりなしに電話がかかってきています。また、「お葉書作戦は続けるのでしょうか」という質問も多くいただきました。

朝日新聞の記事は、あくまで推測であり、地検はまだ判断を出してはいません。…とはいえ、地検内の誰かのリークがニュースソースであるだろうと思われ、判 断を出す日のは近いのかもしれません。お葉書作戦を今こそ大拡散してください。どんどん葉書を出してください。「朝日の記事には驚きましたが、よもや不起 訴ではないでしょうね」と!

弁護団が、「不起訴報道」に対して、「反論の投稿をしよう」とコメントを作成し、朝日新聞に連絡しましたが、「今回は掲載を見合わせる」という返事が返ってきました。
そこで、「不起訴報道への反論稿」を以下に掲載いたします。みなさま、広く拡散をお願いいたします。

なお、朝日新聞の記事は、「福島原発告訴団の告訴」と、別の方々の告訴(数件)もいっしょにまとめて書かれています。福島原発告訴団は「菅直人元首相」、「枝野幸男元官房長官」、「海江田万里元経済産業相」を告訴していません。

・被告訴人名簿はこちらです。

  • 勝俣 恒久 東京電力株式会社 取締役会長
  • 皷 紀男 東京電力株式会社 取締役副社長 福島原子力被災者支援対策本部名長原子力・立地本部副本部長
  • 西澤 俊夫 東京電力株式会社 取締役社長
  • 相澤 善吾 東京電力株式会社 取締役副社長 原子力・立地本部長
  • 小森 明生 東京電力株式会社 常務取締役原子力・立地本部副本部長兼福島第一安定化センター所長 
  • 清水 正孝 東京電力株式会社 前・取締役社長
  • 藤原 万喜夫 東京電力株式会社 常任監査役・監査役会会長
  • 武藤 栄 東京電力株式会社 前・取締役副社長原子力・立地本部長
  • 武黒 一郎 東京電力株式会社 元・取締役副社長原子力・立地本部長
  • 田村 滋美 東京電力株式会社 元・取締役会長倫理担当
  • 服部 拓也 東京電力株式会社 元・取締役副社長
  • 南 直哉 東京電力株式会社 元・取締役社長・電気事業連合会会長
  • 荒木 浩 東京電力株式会社 元・取締役会長・日本経済団体連合会副会長
  • 榎本 聰明 東京電力株式会社 元・取締役副社長原子力本部長
  • 吉田 昌郎 東京電力株式会社 元・原子力設備管理部長、前・第一原発所長
  • 班目 春樹 原子力安全委員会委員長
  • 久木田 豊 同委員長代理
  • 久住 静代 同委員
  • 小山田 修 同委員
  • 代谷 誠治 同委員
  • 鈴木 篤之 前・同委員会委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)
  • 寺坂 信昭 原子力安全・保安院長
  • 松永 和夫 元・同院長(現・経済産業省事務次官)
  • 広瀬 研吉 元・同院長(現・内閣参与)
  • 衣笠 善博 東京工業大学名誉教授(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員 地震・津波・地質・地盤合同WGサブグ ループ「グループA」主査、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会地震・津波・地質・地盤合同WG委員)
  • 近藤 駿介 原子力委員会委員長
  • 板東 久美子 前・文部科学省生涯学習政策局長(現・同省高等教育局長)
  • 山中 伸一 前・文部科学省初等中等教育局長(現・文部科学審議官)
  • 合田 隆史 前・文部科学省科学技術政策局長(現・同省生涯学習政策局長)
  • 布村 幸彦 前・文部科学省スポーツ・青少年局長(現・同省初等中等教育局長)
  • 山下 俊一 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長、日本甲状腺学会理事長)
  • 神谷 研二 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(福島県立医科大学副学長、広島大学原爆放射線医科学研究所長)
  • 高村 昇 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)


【不起訴報道への反論稿】

何の津波対策もとらなかった東電免責はあり得ない
                  河合 弘之(弁護士・福島原発告訴団弁護団代表)

 去る8月9日本紙朝刊に、月内にも福島原発事故について、我々が行っていた告訴・告発について不起訴処分がなされる方向で検察庁が調整に入っているとい う報道がなされた。記事において不起訴理由とされている点を取り上げ、告訴人らの考えを述べ、検察官・検察庁の再考を強く求めたい。

 本紙報道によると不起訴の理由は、「事故と災害関連死との因果関係はないとは言い切れない。今回のM9規模の大地震と津波は、専門家の間で予測されてい たと言えず、事前に想定できたのはM8.3までだった。巨大津波の発生と対策の必要性を明確に指摘していた専門家も少なかった。東電が2008年に津波高 さ15.7メートルと試算していた点についても、専門家の間で賛否が分かれ、東電も『実際には起きないだろう』と受け止め、対策を検討したものの、具体化 は見送った。東電の津波対策は十分ではなかったものの、刑事責任を問うことは困難。」とされている。

 検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの津波は東電内部の検討において確かに試算されていた。この原発の想定津波高は わずか6メートルであった。この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ10メートル程度の津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、だれもが頷く 普通の想定であった。

 電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでなく、外部電源の耐震性強化、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、構内電源設備の耐震性,耐津波性の強化など多様な措置がありえた。

 浜岡原発においては、老朽化した1,2号機は耐震補強を断念し、2008年には廃炉の決定がなされていた。福島第1原発1-3号機についても、同様の措 置は十分あり得た。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかった。予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十分で あったわけではない。東京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告において、結果を回避できた可能性を認めているのだ。

 事故以前の東京電力社内のすべての証拠を収集し、どのような検討がなされていたのかを解明するには、強制捜査による関係資料の押収が欠かせない。このこ とは、捜査機関として当然の責務だ。検察庁は、テレビ会議録画や社内メールなどの任意提出を受けただけで、今日まで強制捜査を実施していない。多くの市民 の生命と生活、生業を根こそぎ奪ったこの事故について、強制捜査もしないで捜査を終結するような事態は絶対にあってはならない。検察内部の良心が検察庁を 揺り動かし、強制捜査の実施と起訴が実現することを心から願ってやまない。

2013年8月11日日曜日

■福島原発告訴団より緊急のお願い■

地検への『お葉書』作戦
“心に訴える暑中見舞い“を!
 
この8月中旬にも検察により不起訴の決定が下りるとの見通しが、報道されていま
す。
どうしてこの未曾有の事故の責任が不問にできるのでしょうか?!
一日も早く強制捜査に踏み切り、是非とも起訴するように、大至急、東京と福島の地
検に、お願いして下さい。
********* <地検住所>  **********
福島地方検察庁 〒960-8017 福島県福島市狐塚17番地
東京地方検察庁 〒100-8903 東京都千代田区霞が関1丁目1-1
 
○夏ですから、出かけた先から飛び切りきれいな絵はがきで、まず自然称賛の文面
を。
または手持ちのステキな絵はがきなどを使って・・・
○「でも、ここから放射線が・・・」とか、「一瞬で灰色に」など福島原発震災に対
する思いを書く。
○それに加えて以下のようなひとことを添えて結びとする。
「早く強制捜査を」
「どうして起訴しないのですか?」
「早く責任者の刑事責任を!どんどん証拠隠滅されてしまいます」
「東電本社の家宅捜査をしてこそ東京地検!」
「原発に家宅捜査に入ってください!」
「現場調査を」
「これでも法治国家といえますか?」
「海外でひんしゅくを買っています」
等々、心を込めて書きましょう!
○差出人の住所・氏名も、出来るだけ書く方が効果的です。
○仮に不起訴の決定が出ても、それへの異議を唱える文面に変えて、引き続き送って
下さい。
 
福島原発告訴団団長 武藤類子
 

「福島民友」新聞掲載記事への抗議

昨日、「福島民友」新聞(8/10)30面『「強制捜査せず」に不満』の記事内
に、団長のコメントが掲載されましたが、記事に重大な誤りがあったため、福島民友
新聞社に対して、厳重抗議を致しました。
 
 
この記事は、「原発事故 全員不起訴へ」(朝日新聞8/9)の報道について、電話
でコメントを求められ、団長が答えたものでした。
 
 
記事では、『武藤団長は「今は業務上過失致傷といえないとしても、原発事故による
甲状腺がんなどの発症リスクも否定できない」と懸念を…』と書かれていますが、こ
れは「今は業務上過失致死傷といえない」と「検察」が判断した、という報道につい
ての反論のコメントであり、告訴団が「業務上過失致死傷」に問えないと考えてい
る、と読者に受け取られかねない記事となっていることに抗議致しました。
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
原発不起訴へで「強制捜査せず」に不満
 
福島民友新聞 8月10日(土)12時43分配信
 
 東京電力福島第1原発事故をめぐって、検察当局が業務上過失致傷容疑などで告
訴・告発された当時の東電幹部や政府関係者らを不起訴処分とする方向で検討してい
ることが分かった9日、福島原発告訴団の武藤類子団長は福島民友新聞社の取材に応
じ、「強制捜査せずに、不起訴とすることは考えられない」と不満を漏らした。
 
 
 同告訴団は昨年6月、同社や国の幹部、放射線の専門家らについて、業務上過失致
死傷容疑などで告訴・告発状を福島地検に提出した。武藤団長は「今は業務上過失致
傷といえないとしても、原発事故による甲状腺がんなどの発症リスクも否定できな
い」と懸念を示した。「多くの人が東電の責任追及を望んでいると思う」と捜査の徹
底を求めた。
 
 
 福島地検は「特定の事件について回答は差し控える。しかるべき時期に説明した
い」とした。
 
 東電は「刑事告訴についてコメントは控える」とコメントした。
 
.
福島民友新聞
 
最終更新:8月10日(土)12時43分

2013年8月8日木曜日

8月4日 開始前に強い余震! 「強制捜査はまだか!!~告訴受理から1年を迎えて~」いわき集会 開催される


ご支援・ご協力ありがとうございます。

84日、「強制捜査はまだか~告訴受理から1年を迎えて~」と題して、いわき市文化センターで集会とデモが行われました。

いわき市は、郡山などと比べ、北杜から往復10時間ほどかかります。甲信越からは5人の参加でしたが、会場で山梨からお2人、新潟からお1人の告訴人の方にお会いでき、心強かったです。丁度いわき駅に着き昼食中に、強い地震があり、3号機の危険が言われていたので、とても怖い思いをしました。参加者は300人を超え、集会後のデモも、音楽もあり、熱気あるものとなりました。しかし、日曜日にも拘わらず、市街の人通りは少なく、寂しい印象でした。

集会では、武藤類子団長からの今も続く福島の厳しい現状を踏まえてのあいさつに続き、福島告訴人のスピーチ、そして弁護団から告訴の行方についての報告がありました。

海渡弁護士からは、6月 末に「夏にも立件断念か?」という報道がなされたが、その内容についても弁護団は上申書を提出し、証拠とともに反論していること。すでに、危険性回避が十 分でなかったこと、事故に対する安全確保がなされていなかったこと、安全対策を講じることはできたこと、自殺した遺族の賠償申し立てで東電は原発事故との 因果関係を認めたこと、子供たちの甲状腺疾患についても疫学的な因果関係を認める見解もあることなどから、十分に過失傷害致死は成り立つ。強制捜査をしな いまま終結することは許されない。もし、不当に検察庁が不起訴にしても、闘いは続けられる。検察審査会に申し立て、2回の起訴相当を勝ち取る。そのためには国民の声、福島の声を結集することが大事である」と力強く話されました。

これでも不起訴処分になるのであれば、もう「再稼働」したくて仕方のない政府の政治的姿勢が影響を及ぼしたと考えざるを得ません。

今回の集会では、神田香織さんの講談があったり、ミニコンサートがあったりと、いつもの固い感じとは少し違っていました。なかでも、在日2世の李政美さんのライブは圧巻でした。李さん自身から類子さんに連絡を取って、出演したそうです。韓国の太鼓であるチャンゴを叩きながらの、新相馬節と会津磐梯山の歌では会場と一体となりました。伸びやかでたくましい歌声の中にも憂いの響きもあり、心が揺さぶられました。

起訴に持ち込むまで、時にくじけそうになりますが、最後まであきらめない気持ちを持ち続けたいと思います。今後とも皆さまの関心とご支援をお願いいたします。

集会・デモの詳しい内容は、当日の動画をご覧ください。




被災者陳述書出版へ 福島原発告訴団「生の声聞いて」 2013.8.3 02:07 産経新聞記事より

2013年7月12日金曜日

〈いわき集会〉のお知らせ


<いわき集会>のお知らせ(チラシはこちら)
 
8月4日 告訴受理から1年 ”いわき”に集まりましょう!
 
8月1日で告訴が受理されてから1年になりますが、いまも強制捜査は行われず、逮
捕者は出ていません。
 
仮設住宅での暮らしが2年半も続き、関連死が増えています。
福島第一原発では海の高濃度汚染が確実となり、収束のめどはまったく立たないままです。
「子ども・被災者支援法」も成立から1年以上経つにもかかわらず、
具体化のための基本方針さえ作られていません。
一方で、除染により、帰還目標である年間1㍉シーベルト以下を達成できなくても、
20㍉シーベルト以下ということで、次々と避難指示が解除されています。
しかし、線量がすぐに戻ってしまうことは明らかであり、解除後に線量が上がっても、
政府は再除染をしない方針です。
住める状態になっていなくても自宅に戻り、あとは各自が線量計を付けながら
被ばく線量を自己責任で管理するという生活になり、解除後には賠償も打ち切られます。
このような想像を絶する暮らしが、身体的にも精神的にも可能とは、とうてい思えませんし、
人道上も決して許されることではありません。
 
今回の原発事故で誰ひとり責任を取っていないなか、電力各社は10基の原発の再稼働を
申請し、政府は原発輸出に積極的です。
今でも子供たちは高線量のなかに留め置かれ、被災者は未来を見通せない困難な暮らしを
強いられています。絶対にこのままでいいはずがありません。
ぜひとも8月4日、いわきから多くの声をあげましょう!
 
<いわき集会>
強制捜査はまだか!!
~告訴受理から1年を迎えて~
 
8月4日( 日) 集会13:00 ~ 16:00  デモ16:30 ~ 17:00
 
会場: いわき市文化センター1F 大ホール
 
参加費: 資料代として500 円
 
★プログラム★
 
13:00 開会
 ゲストスピーチ: 広瀬隆さん
 弁護団スピーチ: 河合弁護士、保田弁護士、海渡弁護士
 告訴人スピーチ: 福島県民から
 
 講談: 神田香織さん
 
 ミニコンサート: 李政美さん
 
 歌: 「われらゆるがず」
 
 集会アピール
 
16 : 00 閉会
 
16 : 30 デモ出発
 
17 : 00 デモ解散: いわき駅前